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ため



今日のテーマは「ため」です。

色んな「ため」が子どもの発達、療育に役立ちます。

今日は3つの「ため」について考えていきます。

 

「フルパワーになるためには1分間気を溜める必要がある」といった溜めは出てきません。

 

精神的な「溜め」

自分自身が外の世界にかかわりに行く時に必要な力です。

これは子ども自身に自信があるということ、心にゆとりがあるという状態になります。

自分に対して自信が無い、失敗が続くと精神的な溜めがなくなっていく。

前早稲田大学教授の増山均先生は精神的な溜めを作るのは子どもの時の遊びだと言います。子供時代の遊びや共同生活の中での成功体験やケンカ、確執を経験することで精神的な溜めが出来ていっているのではないかと考えられています。ここでの遊びは商業施設に行って遊ぶことでは無く、子供たちの世界で創意工夫して遊ぶことをさしているように思います。

 

一方、一般社団法人Colaboの仁藤夢乃さんは家庭や学校で居場所を無くした高校生たちが渋谷で水商売や打ち子に斡旋されていくうちに「自分は何をしているんだろう」と不安になり、「自分はなんてダメだ」と自信を無くし精神的な溜めを無くしていくとおっしゃっています。

 

精神的な溜めは、誰かに用意された場所で無く、自分の想いで行動してみること、試すことで成功であっても失敗であっても育つし、居場所が安定していることが守ることに繋がるように感じます。子供のしていることを大人は結果を予想して止めたくなりますがやらしてみることや約束や危険なこと以外のダメの線引きを考えることは大切に思います。

 

時間の「溜め」

人の怒りは7秒くらいと聞きます。子供が食具で遊んでいる時に、感情のままに伝えても話を伝わりません。怒って言うことを聞いた、次回以降改善されたという経験は僕の5年間の臨床経験や子育ての経験上ありません。怒る→癇癪を起こされる→何言っても話聞かないのループに陥ります。お互いに損をします。

怒るのでは無く、叱ることが大事。そして叱ることは身の危険があること、それ以外の注意していることは子どもではなく周りの都合ということは意識する必要があります。それでも言わなくてはいけない時はもちろんありますが、原則を意識することは大切です。

怒りが来た時は、言葉を出す前に息を吐く、目をつぶる、天井を見る等して時間の「溜め」を作ります。大人は子どもに「〇〇しなさい」と言うので自分も努力をしないといけません。

最近僕は家庭内であれば、「これは自分がイライラする流れになりそうだ」と思うと藤岡弘、のモノマネをします。彼の堂々とした落ち着いた様子をマネしようすると少しブレーキがかかります。まずモノマネをしようとすることで意識が出来事から少しそれているのでしょう。困ったときはまず「はっはっは」と笑うと時間の溜めも作れます。

 

だれの「為」

何かを伝えている時の言葉はだれの為の言葉でしょうか。子どもに注意をしているようで自分の為な時はないでしょうか。僕はお出かけを車でする時に、子どもが自転車に乗りたがった!そんな時に「今日は車で行く日」と半ギレで伝えることがあります。

それは自分の仕事の都合の為です。

自分のためです。

車で行かないと間に合わないのです。

分かっていてもその場では時間の関係上余裕が無く、上手く伝えられてはいません。ただ発する言葉がだれの為の言葉かを振り返ると次回以降の伝え方が変わってきます。

 

以上、3つの「ため」でした。漢字で見ると2つ被っておりますが、気をつけていこうと思う点です。

また関わりの中で感じたことを「貯め」て振り返っていきたいと思います。

 

参考文献

難民女子高生 著 仁藤夢乃 

「あそび・遊び」は子どもの主食です。 著 増山 均