本日は、
ちょっとしたことでうまくいく発達障害の人が上手に暮らすための本
作者は村上由美さん 発達障害の当事者で言語聴覚士の方。
生活に関する困りごとに対して工夫をいくつか紹介してくれます。
大人の発達障害の方に向けて書かれている本ですが、そのノウハウは子どもにも活かせるものがあります。
人類皆発達障害です。
診断がついてなくても、
- モノをすぐに無くす
- 待ち合わせに遅れる
- 自分中心に考えてしまう
など大なり小なり気質を持ち合わせています。
それを他の能力で補い、生きているのです。
私も片付けの場所を決めていても使い終わった場所に置いて次に行動する衝動性を持っています。
そのため、モノを探すことがしょっちゅうあります。
自分の行動を振り返る力を多少持っているので、リカバリーしていますが、予定通りにいかず上手くいかないこともシバシバです。
そんな方にも役立つ1冊になります。
読んでみての感想は
- 知的障害を伴わない発達障害の方や発達障害の保護者等や支援者への考え方や環境設定について説明してくれる
- 行動は本人のやる気や困りごとがないと解決しにくいなあ
ということ。
参考になった「物をどこに置いたかがわからない」を振り返ります。
物をどこに置いたかが分からない
物を探すも見つけられない時、原因として
- 置き場所を決めていない
- 決めてもしまう習慣がない
ということがあります。
とても共感する内容です。
決める場所を決めていないモノは結果、そこらへんに置き、必要な時には見つけられない。
置き場所を決めていても、作業が終わったら作業をした場所につい片付けてしまうので探すのに時間がかかってしまうのは自分の中でもあるあるです。
ADHD傾向が強い人は、興味・関心、特に新しい刺激に惹かれやすいことに加えて、一度に覚えていられる記憶の容量がとても少ない。
ASD傾向が強い人で片付けがが苦手な場合は、そもそも片付けの意味や必要性を認識していない。
散らかっていても覚えているので片付ける必要が無いとのこと。
ただし、この場所にこれと覚えているので、引っ越し等で場所が変わると混乱してしまうようです。
片付けの苦手な人の解決方法
- 使い終わる場所の近くにしまう場所を作る
- 一緒に使う者同士でまとめる
- 見えやすいかごや透明な袋に入れる
- 扉を外す
が挙げられていました。
特に気になったのは、使い終わる場所の近くにしまう場所を作ることです。
使い終わる場所の近くにしまう場所を作る
まず、使う場所の近くにしまう場所をつくることは、興味が移りやすい人には大切です。
片付けに行く途中で興味・関心がそれて適当にモノを置いてしまいます。
そして、部屋が汚れやすい、モノを適当に置いてしまう場所に休憩場所があります。
ソファーや椅子の近くにミステリーサークルのように使ったモノが集まるのは世の常です。
本や漫画を読むとその場にポイっと置いてしまう。
そんな行動をしてしまうことを前提に片付けの方法を考えます。
- くつろぐ場所の近くに収納場所をつくる
- 一時置きの箱を作り席を外すときや掃除の時に片付ける
という案が書籍には挙がっていました。
一時置きにはルールがあります。
- 一時置きの箱は一つだけにする
- 一時置きなので定期的に片付ける
これを守らないと結局何があるか分からなくなったり、何の箱か分からなくなるとのことです。
何故片付けが苦手なのか、自分や子どもの特徴を考えて対策を考えることが必要です。
注意が変わりやすかったり、切り替えにエネルギーがいる方には有効な手段と感じます。
今後も書籍から臨床場面につながるポイントを考えていきます。
それではまた。
書籍には他にも、ゴミ出しのことや身支度のこと、金銭のこと、コミュニケーションのことなどさまざまな生活場面に関する工夫が載っています。